2025年は、育児や介護をしながらはたらく方に関係のある「育児・介護休業法」の改正がありました。その中から、特に重要なポイントを紹介します。
「子の看護休暇」の拡大
育児と仕事の両立をサポートするため、これまでの制度から大きく3つの変更がありました。
対象年齢の範囲が拡大
「子の看護休暇」の対象年齢が、これまでの「小学校就学の始期に達するまで」から「小学校第3学年修了まで」 に延長されました。
取得事由の追加
「子の看護休暇」を取得できる理由が、これまでの「病気・けがをした子の看護」や「予防接種・健康診断の受診」に加え、「感染症に伴う学級閉鎖等」や「子の入園(入学)式、卒園式への参加」も追加されました。
勤続6か月未満の労働者への適用拡大(制限の廃止)
これまで「勤続期間が6か月未満の方」は労使協定を締結することで対象外とすることができましたが、その要件が廃止され、勤務期間による制限はなくなります。
(労使協定により除外できる「週の所定労働日数が2日以下」の要件については、引き続き除外の対象です)
労働条件の明示について
派遣社員、契約社員、パート、アルバイトなど、雇用期間が決まっている「有期雇用」でお仕事を探す際は、事前に明示される労働条件の確認が大切です。
有期雇用における契約更新のルール
会社(雇用主)が必ず明示しなければならない労働条件として、「契約期間」と「契約更新の有無」があります。
そのうち「契約更新の有無」については、以下のいずれかを明確に記載する必要があります。
- 自動的に更新する
- 更新する場合がある
- 契約の更新はしない
「2. 更新する場合がある」と記載されている場合は、更新するかどうかの「判断基準」も合わせて明示しなければなりません。
具体的な判断基準の例としては、以下のようなものがあります。
- 契約期間満了時の業務量により判断する
- 勤怠状況(勤務成績)による
- 業務遂行能力による
- 従事している業務の進捗状況による
- 会社の経営状況による
なお、パートやアルバイトの雇用では、これらに加えて「昇給の有無」「賞与の有無」「退職金の有無」「雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」の明示も必要です。
将来の転勤や異動に関わる「就業場所・業務の変更の範囲」
2024年4月1日の法律改正により、「就業場所、従事すべき業務に関する事項」だけでなく、将来的に変わる可能性がある「就業場所・業務の変更の範囲」も事前に明示することが追加されました。
「就業場所・業務の変更の範囲」とは、将来、転勤や配置転換によって変わることが想定される勤務地や業務内容の範囲のことです。
勤務地や業務内容が限定されていない労働者については、雇入れ直後の内容と将来的に変更の可能性がある全ての範囲を契約書等に明示する必要があります。
例えば、採用時の勤務地が 「東京本社」でも、将来的には本社以外の支店や営業所への異動の可能性がある場合は、「就業の場所」として「全国各支店・営業所」、などと明示しなければなりません。
業務内容についても、採用時は 「総務」でも、将来的には他部署への変更の可能性がある場合は、「総務その他」のように記載する必要があります。
なお、勤務地や業務内容が限定されている労働者については、変更の範囲も「雇い入れ直後の就業場所(または業務)と同じ」となります。
有期労働者で明示が必要な「契約更新の上限」
有期雇用契約の締結や更新時に、通算契約期間または有期労働契約の更新回数を明示する必要があります。
記載例:「契約の更新あり、更新上限は通算契約期間5年まで」など
あらかじめ更新上限の有無や回数などを確認できるようにすることで、無期転換のトラブルを防止する目的があります。