年次有給休暇の取得単位の変化
有給休暇は、法律上「1日単位」での取得が原則ですが、時代に合わせて「半日単位」や「時間単位」など、より柔軟な単位での取得ができる仕組みが整えられてきました。
「半休(半日単位)」の仕組みと具体例
通常、年次有給休暇は1日単位(その日の午前0時~翌日の午前0時)で取得しますが、
企業によっては、1日の半分だけ休む「半休制度」があるところもあります。
法律上に半休の定めはありませんが、厚生労働省の通達により、1日単位の有給取得の邪魔にならない範囲であれば取得させることが可能とされています。
就業時間の半分を半休とするのが原則ですが、午前・午後で分けることも問題ありません。
半休の分け方の例(9時〜18時が定時の場合)
- 労働時間の「半分」で分けるパターン
例:9時〜13時まで勤務し、13時以降を半休にする
- 「午前・午後」で分けるパターン
例:9時〜12時を午前、12時以降を午後として、お昼を境に半休にする
法律上はどちらの分け方でも問題ありませんが、自分が働く職場のルールを事前に確認しておくと安心です。
時間単位年休とは
「リフレッシュを目的とした、まとまった日数の休暇を取得する」という本来の趣旨を踏まえつつ、仕事と生活の調和を図る観点から、2010年に時間単位での有給休暇の取得が可能になりました。
この制度を利用すると、年間で「最大5日分」までを有給を時間単位に小分けして使うことができます。
時間単位年休の使い方の例(1日8時間労働の場合)
たとえば9時〜18時が定時、つまり1日8時間労働の会社であれば、8時間×5日分にあたる「年間で合計40時間分」を、1時間単位に分割して自由に使用可能です。
「子供の学校行事のために2時間だけ抜けたい」「夕方1時間だけ早く帰りたい」など、一人ひとりのライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を支えてくれます。
労働者が取得しやすい環境を整えるための制度として、活用が期待されています。
導入には労使協定の締結が必要ですが、年次有給休暇の取得率向上が求められる中で、時間単位の年次有給休暇の活用が推し進められています。
現在の導入状況と今後の課題
2021年公表の「年次有給休暇の取得に関するアンケート調査」(労働政策研究・研修機構による)によると、時間単位年休制度を実際に導入している企業は22.0%に留まっています。
導入していない理由は、勤怠管理や給与計算が煩雑になること、半日単位の取得制度があるので必要性が低い、などの意見がありました。
現時点で「今後新しく導入を検討している・予定している」という企業は23.6%となっています。
一方で、まだこの制度がない企業で働く人たちを対象にした調査では、約半数が「時間単位年休制度の導入を希望している」という調査結果もあります。
人材の確保・定着の観点からも時間単位年休を新しく取り入れる企業が増えることが期待されています。